この記事では「真・三國無双 ORIGINS 第五章 劉備、草廬を三顧し 隆中に三分の策定まる 然して 英雄、赤壁に決戦す(呉ルート)」のストーリー感想を書いていきます。
以降、ネタバレが含まれておりますので、閲覧の際はご注意ください。

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廬江平定戦
新たな当主の下で反乱を許しては孫呉の国の基が揺らぎかねない。
李術を討ち、反乱を鎮圧せよ。
(ゲーム内の説明より)
孫権が君主になってから、初めてとなる戦い。
孫堅の時と同じく、孫策が亡くなり皆絶望しているかと思いきや、臣下どころか兵士まで前を向き、この苦境へ立ち向かおうとしていました。
「こういう時こそ私が堂々としていないと」と奮起する孫尚香。
あえて小言を言わずに孫権を見守る古参組。
そしてもっとも心の傷が深そうな周瑜ですら孫権を信じて疑わず、前向きな姿勢を見せてきます。

顔有り武将ではありませんが、孫権が心配なあまり、あえて小言を言う張昭も良いキャラしてました!
その一方で孫権自身は、兄や父のように先陣を切って軍を率いる戦い方が不向きだったのもあり、突如のしかかってきた重責に苦しみます。
史実だとこの時、なんとまだ19歳だったそうなので無理もありません。
しかしこれを聞いた太史慈が「我々が求めているのは孫策ではなく、仕えるに足る主君」と言い切ります。
そして自身の麾下がそれぞれ別の能力に特化している事を例に挙げ、孫権のやり方で勝負すれば良いとアドバイスをしました。
この言葉を機に、孫権は完全に吹っ切れます。
他人の意見をよく聞く孫権だからこそ、これが一番効いたようです。

「太史慈といえば孫策」というイメージが強かったので、孫権との関係を掘り下げてくれたのは嬉しかったです!
その後、反乱の鎮圧に向かった孫権は、あえて皆の後ろに下がり、戦況の変化に適宜対応していく戦い方を選びました。
すると部下達から「孫家は高みの見物か」と不満の声があがります。

いままでのやり方で孫堅と孫策がどうなったか忘れたのか!と言いたくなりますね。
しかしここで、これまでのやり方を完全になくすのではなく、以前孫策から「自分や孫堅と同じタイプ」と言われていた孫尚香が先陣を切る事で、皆の不満を封じます。
確かに彼女は過去作から父や兄寄りのタイプでしたが、それを「これまでの孫呉の在り方を継承する存在」として解釈した今回のストーリーには『その手があったか!』と驚かされました。

孫尚香と主人公が出会った時のエピソードもあいまって、彼女の成長ぶりに感動させられます。
黄祖討伐戦
孫権の下で結束し始めた孫呉は、黄祖討伐のための軍を起こす。
今こそ、仇敵を討ち果たせ。
(ゲーム内の説明より)
ついに孫堅を討った仇敵・黄祖との戦い。
同時に凌統の父・凌操が甘寧に討たれ、凌統と甘寧の間に因縁が生まれた戦いでもあります。
特に今回は凌操が良い父親として感情移入出来るように描かれていたので、余計に苦しかったです。

よりによって「騒ぎ立てるには尚早」と唯一この戦いに乗り気じゃなかった凌操だけがやられるの、不運すぎます。
それでも当初は凌操を助けられる世界線を信じ、戦闘中は凌操にビッタリついていきました。
しかしマップ外で強制的に甘寧VS凌操戦が始まってしまうので、プレイヤーは一切介入が出来ず、助けられませんでした。

凌統関係のエピソードが根底から覆されてしまうためなのか、凌操の死は避けられないようです。
しかし父の死で激昂した凌統を見て、潔く恨まれる覚悟を決めた甘寧が、敵ながら過去作にはない年齢的な落ち着きが感じられて良かったです。

これまでの若い甘寧とは、また違う対応ですね。
会稽平定戦
山越の反乱は繰り返される。
今はただ力で退ける他にない。
敵将をすべて倒し、乱を収めよ。
(ゲーム内の説明より)
ここで山越と深い仲である黄蓋が、突如山越討伐に異議を唱えます。
黄蓋が山越と仲が良いという話は、ストーリーとは別の形で兵士から聞く事が出来るのですが、まさか本編にここまで影響を及ぼす話に繋がっていくとは思いませんでした。

油断していると、聞き逃してしまいそうです。
この黄蓋の意見は、孫権以外の武将達から反対されましたが、それでも彼は意思を曲げず、戦闘中も1人だけ別行動を取り始めます。
何をするつもりなのか気になったので、彼を随行武将にして戦闘を開始してみると、一部山越を黄蓋が説得して回り、撤退してもらう展開になりました。

ただし黄蓋側に行くと、他の味方達が一気に苦戦するので焦ります!
どうして黄蓋はここまで山越にこだわり始めたのかと、はじめは戸惑いましたが、皆の意見をよく聞く孫権が主君だからこそ、出来た行動だったのかもしれません。
現に孫権は黄蓋の意見に納得し、山越と和解する道を取ります。

ここの孫権、主人公感がすごいです!
ちなみにこの戦いで、以前孫策を討った張本人・白鸞が「孫権など取るに足らない人物」とまた難癖をつけて妨害しにやってきます。
しかし白鸞にとどめを刺そうとしたところを孫権自ら止めに入り、しっかりお互い向き合った事で一旦和解する結果となりました。
白鸞側にも辛い事情がある事は分かっているのですが、いかんせん孫策へ完全に感情移入していたのもあり「孫権殿、貴方が助けようとしてるこの人、兄上の仇です!」とチクりたい気持ちを抑えながら見ていました。

今回の孫呉の仇敵は、黄祖じゃなくて白鸞のような気がします。
夏口決戦
山越の心を得て結束した孫呉は、再び仇敵・黄祖を攻める。
因縁の相手と、決着をつけよ。
(ゲーム内の説明より)
ついに黄祖との最終決戦。
これまで長く因縁が続いた黄祖でしたが、乱世を生きる将として最期まで戦い抜く姿を見せてくれるので、なんだかんだ彼にも好感を持ってしまいました。

甘寧を冷遇した件以外は、個人的に今作で評価が上がった人物です。
そして勝利後、甘寧の強さを目の当たりにした孫権は、彼を自軍に加える事を決意します。
父の仇を討てなくなった凌統は当然反発する訳ですが、これを「聡いお前なら分かるはずだ」という言葉で封じる孫権に狡さを感じつつ、軍を率いる人間としての成長を垣間見られたようで、なんとも複雑な気持ちにさせられました。
三江口の戦い
想いを継ぎ、未来へ繋ぐために、孫呉は曹操との決戦を選んだ。
敵の先遣を退け、緒戦を取れ。
(ゲーム内の説明より)
赤壁の戦いの前哨戦。
しかしこの戦いに至るまでに、劉備と同盟し曹操と戦うべきか、それとも降伏すべきかでおおいに揉めます。
戦いよりも、むしろこちらのストーリーの方がメインかもしれません。
主人公は魯粛と共に、劉備軍へ共闘を依頼しに向かうのですが、直前に周瑜から「主人公から見た劉備はどのような人物だった」と聞かれた際、選択肢の中に「何も考えていない人」とあった事に笑いました。

黄巾の乱で仲良くなったとはいえ、言い過ぎです。
そして劉備軍との共闘が成立し、孫権が曹操との戦いを決意したあたりから、黄蓋が不穏な動きを見せ始めます。
特にこの戦いでは、孫呉と通じていた敵総大将・蔡瑁をわざと魏軍兵士の前で助け、処刑されるように仕向けたとして周瑜に詰められます。
その結果、黄蓋自ら孫呉への叛意を明らかにし、牢屋で鞭打ちを受ける事になりました。
もちろんこれは毎作恒例の苦肉の計なのですが、どうやら今回はプレイヤーも騙される側のようです。

あまりにも本気で演じているため、三国志を知らない人は本当に騙されるのではないでしょうか。
赤壁の戦い
赤壁に、戦いの舞台は整った。
後は、各々が使命を果たすのみ。
曹操を討ち、決戦に勝利せよ。
(ゲーム内の説明より)
ついにここまでたどり着きました。
風を読む能力を持つ主人公は、風向きを見極め、火計の合図を送るという重要な役割を担います。
まさか主人公の能力までもがストーリーの伏線になるとは思いませんでした。
過去作の赤壁の戦いでは、諸葛亮の祈祷によって風向きを変えていましたが、オリジンではあくまで赤壁でのみ一瞬だけ風向きが変わるタイミングがあるという話に変更されており、諸葛亮の祈祷はあくまで敵の目を引く囮の役割となったようです。

「ビームを撃てる諸葛亮なら、なんか風向きとか変える力もあるだろう」という謎の説得力がありましたが、さすがに今作ではビームを撃つだけのようです。何故撃てる。
そして風向きを読んだ主人公が合図を送ると、ついにここまで裏切り者に徹していた黄蓋が、見事な火計を披露してくれます。
黄蓋は序盤から孫堅にコンプレックスを抱いていたり、軍の方針を無視して山越に肩入れしたりと不穏なエピソードばかり出ていましたが、今思えばすべてこのシーンに辿り着くための伏線だったのだと気付かされ、感動しました。
特に火を放つ瞬間のムービーは格好良いだけでなく、周瑜に苦肉の計を提案する回想まで入っており、これまでの黄蓋の道のりすべてを思い起こさせる素晴らしい内容となっています。
個人的に呉ルート最大の名シーンでした。

合図の瞬間に黄蓋の名前が赤(敵)から青(味方)に変わったり、火計後のBGMが過去作の赤壁の戦いに変化していたりと、戦闘中の演出も最高です!
エンディング
孫堅・孫策を救出できなかったルートではあるものの、奇跡的な勝利を収めただけあり、とても明るいエンディングでした。
ハッピーエンドと言われても違和感がないレベルです。
そして最後に孫権・孫尚香から、今後の主人公について「責任ある将軍の地位となり華々しい活躍を望むか、無官の将のまま主人公が望む戦いを続けるか」の2択を選ばせてもらえます。
てっきり主人公は後者の道を歩むものだと思っていたので、前者の道も選べる事に驚かされました。

それでも結局「主人公らしくない」という理由で、無官の将を選んでしまいました。
最後に
初めてクリアしたルートなのもあり、非常に満足感がありました。
1つのルートでこのボリュームなのに、まだ2つルートが残っているこの状況にワクワクさせられます。

まだまだ無双を楽しめますね!
ちなみに交流イベントについては、途中離脱した孫堅・孫策と、お互い無口すぎて一生会話が盛り上がらないままエンディングを迎えた周泰以外は、全員絆MAXに出来ました。
孫堅達はともかく、周泰については修練をサボった事が原因らしいです。

これからはサボらずに取り組んでいこうと思います……。
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