映画ザックリ感想『ミザリー』『シャイニング』『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』

映画

ここ最近、ふと「有名なホラー映画くらいは観ておこうかな」と思い立ち、前から何となく知っていた『ミザリー』『シャイニング』『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』の3作品を観てみました。
どれもホラー映画の名作として語られることが多い作品なので、「まずは定番から押さえておこう」という気持ちで観始めたのですが……観終わってから調べてみて、ようやくどれもスティーブン・キング原作の映画だったと知りました。
「いや、それ常識でしょ?」という声も聞こえてきそうですが、恥ずかしながら私は今回初めて知りました。
とはいえせっかくの良い機会なので、この3作品をまとめて感想としてザックリ残しておこうと思います。
ホラー初心者の目線で観た感想なので、同じように「今さらだけど観てみようかな」と思っている方の参考になれば嬉しいです。

ミザリー

観る前までは「小説家の主人公が、狂信的な女性ファンに監禁されて小説を書かされる話」という程度の知識しかありませんでした。
実際、物語の大筋はその通りだったのですが、一つだけ意外だったのは監禁する女性の名前が「ミザリー」ではなく「アニー」だったことです。
「ミザリー」という名前は、あくまでも主人公・ポールが書いた小説の登場人物の名前だったんですね。
更に物語が進む中で、ポールがアニーにバレないよう自身の心境を表現する際に「ミザリー(みじめ)だ」という言い方をしていたところで、ようやく「Misery」という言葉の本来の意味まで知りました。

せきゆら
せきゆら

そういえば他作品で「ミザリー」という名前をあまり聞かない気がするのですが、意味が意味なので名前としては本来使われないものなのでしょうか。

そして本編では、期待通りアニーの恐ろしさを存分に味わうことができます。
それはもう嫌というほど味わいました。
狂気に満ちたシーンはもちろん圧巻なのですが、個人的に怖さを感じたのは、むしろ平常時のアニーの優しい振る舞い。
あまりにも自然体で穏やかに接してくるからこそ、その裏に潜む狂気とのギャップが際立っていて、かえって不気味さが増しています。
その一方で、監禁されているポールもこちらの想像以上に精神的にタフで、アニーとの駆け引きや、隙を見てこっそり家の中を探索する場面では、終始ハラハラさせられます。
ポールがただの被害者で終わらないところも、この作品の面白さのひとつだと感じました。

せきゆら
せきゆら

むしろ観ているこちらが憔悴してしまいそうな状況の中で、まったく心が折れないポールに驚かされました。

シャイニング

扉から顔を出している男性(ジャック)のインパクトが強すぎる本作。
このシーンは色んな作品のパロディでもよく見かけていたのですが、実際に観てみると赤い水や謎の双子など、他にもどこかで見覚えのある描写が次々と登場し「あれもシャイニングのパロディだったのか!」と、頭の中でピースが綺麗にハマっていくような感覚がありました。
やっぱりこういう履修をしておくと、他の作品を観たときの楽しみ方がグッと広がりますね。

せきゆら
せきゆら

しかしどういう意図であの描写がなされたのかに関しては、自分の中でまだ消化しきれていない部分があります。

そして地味に気になったのが、唯一外部の人間の中で主人公の危機を察した人物が終盤で助けに来てくれる展開。
直前に映画『ミザリー』を観ていたせいで「なんかミザリーのあの人と同じ流れになってない?」と不安に思っていたのですが、案の定というべき結末でした。
やっぱりホラー作品では、ああいった絶望感の演出が定番なんですね。

せきゆら
せきゆら

映画は原作と内容が大きく異なっているらしいので、いずれ原作も読んでみたいですね。

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。

ペニーワイズという名前自体は以前から知っていたものの、ネットで見かけるのはミームばかりで、日本でいう貞子のようにキャラクター化された印象が強く、本格的に怖い存在だという感覚は正直ありませんでした。
しかし実際に観てみると、想像以上にちゃんと怖い。
というのも、ペニーワイズはただ見た目が不気味なピエロというだけではなく、幻覚や変身などの能力によって相手のトラウマや恐怖心を巧みに突いてくるタイプ。
そのため視覚的な怖さ以上に精神へのダメージが大きかったです。

せきゆら
せきゆら

「対象から恐怖心を引き出せなければ力を発揮できない」という性質上、相手の弱点によって巧みに変化するホラー演出が新鮮でした。

ちなみに鑑賞前は、この作品を完全なホラー映画だと思い込んでいたのですが、実際に観てみると、少年少女たちの友情や成長を描いた青春ストーリーにホラー要素が加わったような内容で、良い意味で予想を裏切られました。
そういう意味で特に印象的だったのは終盤のシーン。
ピエロが苦手だと語っていたリッチーが、親友ビルを救うため、仲間たちと共にペニーワイズとの戦いを選ぶのですが、あれはホラー映画ではなかなか味わえない熱さと感動でした。
そういった意味でも、ホラーが苦手な方でも意外と楽しめる作品だと思います。

最後に

同じスティーヴン・キング原作とはいえアニー、ジャック、ペニーワイズはそれぞれ現実と非現実との境目が異なる存在だったのもあり、恐怖の質がまったく違いました。
そのためどれが1番怖いか?と問われると大変悩ましいところです。
そのバリエーションの豊かさこそが、今も多くの人を惹きつける理由なのかもしれません。

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