映画『教皇選挙』感想:難解そうで観てなかった人にこそオススメしたい一作  

映画

次のローマ教皇を決める選挙「コンクラーベ」を題材にした映画『教皇選挙』
「結構難しそうな話っぽいけど、そこまで面白い作品に出来るものなのか?!」
とその存在は気にしていたものの、なんとなく観るタイミングを逃してしまっていました。
しかし先日、本作が配信されたと聞き「今この流れに乗らないと、一生観る機会がないかもしれない…」という焦りに背中を押され、ようやく鑑賞することができました。

前提知識がなくても楽しめるが、観賞後は公式HPの解説を見るのがオススメ

物語は、次期教皇の座を巡って争う枢機卿たちの思惑と駆け引きを静かに、しかし熱く描いています。そのため最初は、前提知識のない私がストーリーについていけるのか不安でした。
ところが実際に観てみると、ストーリーはとても分かりやすく構成されており、エンタメ作品としてしっかり噛み砕かれているため、十分楽しめる作りになっていました。
題材が題材なだけに、ほとんど同じ場所(システィーナ礼拝堂のセット)で話が進むにもかかわらず、まったく飽きさせないストーリー展開は本当に見事だと思います。


ただし、作中には前提知識があってこそ気づける伏線等も随所に散りばめられていたようで、そういった表現部分は公式サイトにある「キーワード徹底解説〈ネタバレ注意〉」で丁寧に解説をしてくれています。
私も鑑賞後に読んでみましたが「あのシーンにはそんな意味があったのか!」と新たな驚きがあり、作品への理解度が一気に深まりました。
特にラストの部分はこの前提知識が分かっていたかどうかで、ストーリーの解釈が大きく変わりそうので、これから作品を観る予定の方も、すでに鑑賞済みの方も、ぜひ公式サイトの解説をチェックしてみてください。

登場人物も分かりやすい

登場人物がほとんど同じ服装と年代の男性ばかりなので、序盤「誰が誰なのか分からない…。」というのが正直な感想でした。
しかし登場する人物の数は多いものの、直接ストーリーに絡んでくる人物自体は少数に絞られているのもあり、ストーリーが進むにつれ、それぞれの立ち位置が明確になってきます。
そのため中盤に差しかかる頃には、自然と彼らの関係性が頭に入ってくるようになり、一層ストーリーに引き込まれました。

せきゆら
せきゆら

中でもテデスコは癖が強すぎて、すぐに覚えられました。

まさかの黒幕(一部ネタバレ注意)

本編ではコンクラーベの舞台裏で、主人公であるローレンスが有力候補者達の不祥事を明らかにしていくストーリーとなっています。
そのため鑑賞中は「出来すぎなぐらい次々と証拠が出てくるけど、ここにツッコむのは野暮か…」と思いながら観ていた部分がありました。
しかし観賞後に覗いた公式HPの解説にて、あの証拠はある人物が意図的に用意し、ローレンスが辿り着けるように誘導していた事が発覚します。
確かに序盤の発言や不祥事が見つかるまでの過程を振り返ると納得ではあるのですが、本編に登場する人物達すらそれを知らなかったのもあり、私も全く気づきませんでした。
とはいえ不祥事で消えた候補者とは違うベリーニやテデスコ相手に、無名の枢機卿が勝つのは難しそうに思えたのですが、そこはあの人物が秘めるカリスマ性で勝てると確信していたのでしょうか。

最後に

解説まで含めて楽しめた映画でした。
本作を観た勢いで、他にもコンクラーベを題材にした作品がないかちょっとだけ調べてみると、色々と面白そうな作品が出てきたので、こちらもいずれ観てみたいと思います。

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