ちょっとした隙間時間があると、すぐにSNSを眺めてしまう。
そこで嫌な言葉を見て不快な想いになる事もあるけれど、好きなコンテンツの嬉しい情報もあるので、つい見てしまう癖をやめられない。
そんな事を繰り返している内に、最近の私は寝る前にSNSを覗く癖がついてしまい、いよいよ睡眠時間まで短くなってきました。

依存症に片足突っ込んでいます。
そんなこんなでまたダラダラとSNSを眺めていると、この本をオススメしている投稿が私の目に飛び込んできました。
これまで文章術の本といえば、分かりやすくシンプルに伝える技術をメインに取り上げた本しか知らなかったため、「好き」という感情に寄り添ったこの本のタイトルが斬新に見えて、つい購入してしまいました。

こういう素敵な出会いがあるから、やめられないんですよね。
実際に読んでみると、具体例を挙げながら分かりやすく推しの魅力を言語化する方法が書かれています。
それだけでも斬新な観点で十分面白かったのですが、個人的にはSNSで推しの感想を書く上で大切な事は「自衛すること」であると語られていたところが印象的でした。
これについて本書には、
「SNSには『他人の言葉で作り上げられた空気』のようなものが漂っている。
みんなの反応もその空気を読んだものへと定まってしまいがちになるため、自分の言葉を奪われやすくなってしまう(要約)」
と書かれています。
やや話が逸れますが私自身も、
「大人になった今より、子供の頃の方が周囲への遠慮がなかった分、感情を言語化しやすかったな……。」
と思うところがあったので、これには少しドキッとしてしまいました。
例えば作品を楽しんでいる時に、
「このストーリー(もしくは登場人物等)、●●に似ているな」
と思う時があるのですが、SNSを覗いた時に、似ていると言われた対象のファンの方が、嫌な想いをされている書き込みを見て、
「あまり安易に名前を出すのはよくないか……」
と考え、自分の感想を引っ込めてしまう時があります。
これはあくまで一例ですが、似たような出来事を何回も経験して積み重なっていくにつれ、どんどん自分の言葉がなくなっていたように思えます。
この本のおかげでそれに気付けたのは収穫でした。

意外と自覚出来ないものです。
ちなみにこの本では、似ているものとして別の作品等の名前を挙げる行為についても触れており、
「自分以外からすると対して似てない本だとしても、そんな事はどうだっていいんです。
妄想ですから。客観的に合っているかではなく、妄想を広げる事が重要なんです。(要約)」
と述べています。
この部分に少しだけ背中を押してもらえたようで、気持ちが軽くなりました。

名前を出す行為そのものに怯えるよりも、さも皆が同じように思っているかのような言い方や、対象へのリスペクトが感じられない言葉遣いをしないよう、心がける事が大切ですね。
まさかSNSの使い方1つで、ここまで自分の言葉に影響を与えてくるものだとは思いませんでした。
文章術の本としてだけでなく、SNSの危険性についてより分かりやすく教えてくれる本としても参考になる本です。
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