この記事では「真・三國無双 ORIGINS 第一章 黄巾、義に起ちて暴に失す 英雄、乱に功を立つ」のストーリー感想を書いていきます。
正直、今作の黄巾の乱を見ただけでもこのゲームを買って良かったと思うほどの内容でした。
以降、ネタバレが含まれておりますので、閲覧の際はご注意ください。
始まり
ある村で非道な振る舞いをしている官吏を見過ごせなかった主人公。
同じくその行ないを糾弾していた関羽と共に戦いを挑むが、圧倒的な数の敵兵を前に危機に陥ってしまった。
そこへ黄色い布を巻いた謎の軍団が現れ……。
過去作ではいきなり黄巾の乱が始まりましたが、今作は黄巾党が蜂起する前の時間軸からストーリーが始まります。
またオリジナル主人公という新たな存在もあり、いきなりこれまでの黄巾の乱とまったく異なる展開が来たので、初っ端からワクワクさせられました。
そして何より1番盛り上がったのは、主人公と関羽を助けに来た黄巾党のシーン。
これまで敵としての登場がほとんどだった黄巾党が味方として駆けつけてきた時は、なんともいえない感動がありましたし、戦闘画面で彼らが敵軍へ突撃していく姿は臨場感に溢れていました。
まだ初戦なのに、ここまで盛り上がってしまって良いのでしょうか。
蜂起
困窮する民を救い、絶大な支持を得ていた太平道。
その創始者である張角は、多くの信者たちと共に漢王朝へ反旗を翻す。
黄色い布をつけている彼らは「黄巾党」と呼ばれた。
その一方、旅を続けていた主人公は、義勇軍として劉備達と共に黄巾党討伐へ身を投じる事となる。
一度は関羽と別れた主人公でしたが、思いのほか早く再会しました。
更に彼の義兄弟である劉備・張飛とも義勇軍として合流します。
そこで主人公に反発する張飛と一悶着あるのですが、この時の主人公に対する張飛の態度のせいで、発売当初から多くのプレイヤーに「張飛可愛い」「ツンデレ」と言われる事態に発展。
ついには担当声優・福原耕平さんにまで、エゴサでその評判が届いてしまいました。(下記参照)
ちなみに現在(2025年2月5日時点)はこんな感じ↓
私はゲームプレイ前にこの評判を聞いていたので「また非公式でネタが流行ってるなー」ぐらいにしか思っていなかったのですが、実際にストーリーを見たら本当に可愛くて驚きました。
最近の張飛は星彩に張苞と、立派な子供達が参戦していたのもあり、中年のイメージが強かったのですが、若者時代の今作だと可愛い弟感が強くて新鮮ですね。
出会いと再会
主人公は劉備率いる義勇軍として、黄巾党と戦い続けている内に曹操・孫堅・董卓の軍と出会う。
更にかつて自身と関羽を助けた謎の男とも再会を果たすが、彼は主人公の正体を知っているかのような素振りを見せてきた。
ここではまだ敵対関係となる前の曹操・孫堅・劉備・董卓の貴重な共闘を見る事が出来ます。
過去作では大雑把に「覇道の曹操」「家族愛の孫堅」「暴の董卓」というイメージがありましたが、今作ではそれぞれの思想について、より丁寧に掘り下げられていたのが良かったです。
特にその中でも董卓は、過去作のイロモノ的な扱いをなくし「独自の美学を持つ強者」として新しく生まれ変わっていた事に驚きました。
第一章は張角のイメチェンに目が行きがちですが、董卓もかなり印象が変わっています。
彼らの考え方がより具体的になったからこそ、今作では「まだ何者にもなれていない」というキャラ付けがなされた劉備の存在が際立っていました。
その後主人公は黄巾党との決戦を前に、かつて自身と関羽を救った謎の男と再会。
ようやくここで彼の正体が張角であると言及されます。多分みんな気づいてた。
過去作の張角は怪しげな教祖のイメージが強かったのですが、このシーンでは彼の指導者としての覚悟と決意が強く出ていて、これまでの張角に対する印象が大きく変わる場面となりました。
真・三國無双シリーズ史上、最も人間らしさがある張角に仕上がっています。
最終決戦
いよいよ黄巾党との最終決戦。
激戦の末、ついに張角に致命傷を与える事に成功したものの、隙を見て逃亡されてしまった。
諸将が血眼になってその行方を捜す中、主人公は導かれるようにして瀕死の張角を見つける。
主人公VS張角による一騎討ちからの全軍揃い踏みの展開で「うおおおおお!!!」とテンションが上がったのですが、その後張角の切ない最期を見せられて一気に情緒をメチャクチャにされました。
さすがにあの張角が信者達をわざと暴徒化させるはずがないとは思っていましたが、自身が善人すぎる自覚がないままに、信者達の善性を過信しすぎたが故の悲劇だったというのはあまりにも辛すぎます。
さすがに気の毒すぎて、張角へ一方的に力と使命を与えた者は、これだけの大事を丸投げにしすぎではないかとすら思いました。
やり方を間違えたら即太平の要がすっ飛んでくるシステム、ハードすぎます。
その後
結局張角の骸は見つけられず、董卓の計らいにより「墓を掘り起こして首を刎ねた」という噂を流すことで、反乱に一応の決着をつけた。
戦いを終えた曹操・劉備・孫堅はそれぞれの道を歩み始める。
結局、張角の骸の行方を討伐軍に明かさなかった主人公。
この主人公なら張角の骸を討伐軍に差し出さなそうだな……という納得感はあるものの、悪役であるはずの董卓から出た「張角を捜し出し、信者達の前で汚辱にまみれた死に様を見せつけなければ、黄巾党再起の象徴になりかねない」という言い分にも理解を示せるようになっているのが、このストーリーの面白いところです。
また張角と同じく「困窮する人々を救いたい」と願う劉備が、彼を反面教師とし「事を急いてはいけない」と考えるようになった事で、後の長い流浪のストーリーに繋がっていったところが、今作ならではの解釈といった感じで好きでした。
最後に
過去作の無双なら1時間もかからずにクリア出来たはずの黄巾の乱。
オリジンではなんとクリアに5時間もかかりました。
今作のストーリーは赤壁の戦いまでと聞いていましたが、黄巾の乱だけでこのボリュームであれば納得です。
むしろ赤壁の戦いまでこのボリュームで本当にいけるのか、不安になるほど充実したストーリーでした。
その上第二章で敵対するであろう董卓が、黄巾の乱の時点で既に良い描き方をされている事から、次回も第一章のクオリティーに負けない内容になっていそうでワクワクしています。
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