6月29日、キャラクターフレグランス専門店『Primaniacs』から『paradox Live フレグランス第3弾』の一般発売が開始されました。
私も以前からキャラクターフレグランスという存在は知っており、どのようなイメージで作られているものなのか興味はありましたが、これまで使ってみた事はありませんでした。
しかし今回は、偶然好きなキャラクターの1人である『イツキ』のフレグランスが発売されたため、これを機にキャラクターフレグランスに触れてみようと、思い切って購入してみました。
実際に使ってみたフレグランス初心者の視点から、感想・レビューを書いていきたいと思います。
Paradox Liveのイツキとは?
イツキはHIPHOPメディアミックスプロジェクト『paradox Live(通称・パラライ)』に登場するチーム『1Nm8』のメンバーです。
公式サイトでは下記のように紹介されています。
イツキ
Paradox Live公式サイトより
ITSUKI / MCNAME:5
CV:北村 諒
感情の欠けたサイボーグ系ラッパー
感情表現に乏しい合理主義者。
かつてはファントメタルの人体実験における被験者だった。
実験の中で「シャッターアイ」という超人的な記憶力を得るが、そのために辛く悲しい記憶さえも忘れることができず、自己防衛のために感情そのものを封じ込めるようになった。
さらに、記憶力が良すぎるが故、根に持つ性格になってしまった。
正直、最初にイツキのキャラクターフレグランスの発売を聞いた時は
「公式から『感情の欠けたサイボーグ』とまで称されたイツキを、香りで表現出来るのか?」
と疑ってしまいました。
そもそも彼が所属する1Nm8は無機質な白がイメージカラーな上『感情表現が薄い合理主義者』というイツキのキャラクターも相まって、彼の内面をフレグランスで表現するのは難しいと考えていたからです。
むしろ香りが無い方がイツキらしいのでは?とすら思っていました。
今回イツキのフレグランスを選んだのは「好きなキャラクターだったから」というのもきっかけの1つですが、この『イツキ』というキャラクターをフレグランスでどう表現したのか気になったから、という理由もあります。
再現が難しそうなイツキですが、果たしてどのようなフレグランスに仕上げたのでしょうか。
フレグランス紹介
イツキのフレグランスについて、キャラクターフレグランス専門店『Primaniacs』公式サイトでは下記のように紹介されています。
失くした感情を埋めるように 音もなく香るグリーンハーバルノート
primaniacs 公式サイトより
硬質なクラリセージが静かに広がり、淡々とした気配を宿す。それはまるで金色の瞳のように鋭く、隙が無い。
そこへ紛れ込むグリーンティーは仄かな渋みを添えるが、やがて安息の彼方へと誘うように、温かいアンバーが漂う。
忘れることの出来ない痛みを抱えながら、未来へと手を伸ばすフレグランス。
説明を見るにイツキの内面ではなく、彼の過去と未来をイメージして作られたフレグランスのようです。
更にクラリセージは彼の金色な瞳を、グリーンティーは衣装に度々使われる黄緑を連想させたりと、容姿もモチーフになっています。
キャラクターの内面に対する解釈は人によって分かれやすく、賛否両論になる可能性が高いため、過去や容姿に焦点を当てるのは上手いと思いました。
ちなみにお値段は6,600円(税込)。
送料が別途かかる事を考えると、気軽に手が届きづらい価格ではありますね。
全てのキャラクターを気軽にコンプリートするのは難しそうです。
注文してから長く待たされる事はなく4、5日程度で届きました。
中にはフレグランスの楽しみ方を解説している紙と、
香りをつけて楽しむためのカードが数枚入っています。
フレグランスは時間経過で香りが変化するため、香りを比較するのに1枚ずつ分けて時間差でつけてみると良いかもしれません。
実際に使用してみた
トップノート(最初~10分程度)
公式サイトによると、トップノートで使用されているのは『Lemon』『Apple』『Clary Sage』。
クラリセージは甘い香りだそうですが、実際に使用してみると強めのハーブのような香りがしました。説明にある「金色の瞳のように鋭く、隙がない」というのはこの香りの事を指しているようです。
この後徐々に香りが変化していきますが、やはりここのクラリセージの香りが最も印象に残りましたね。
ミドルノート(5分~1時間程度)
使用されているのは『Lavender』『Muguet』『 Heliotrope』『Green Tea』。
クラリセージの香りが消えたのか、先程の鋭い香りがやわらいできました。
そこから徐々にスッキリとした香りに変わってきましたが、その中にほろ苦いグリーンティーの香りも入っています。
実験で得た能力「シャッターアイ」により、悲しい記憶が忘れられない辛さを表現しているのでしょうか。
そう考えると気軽につけて楽しんで良いのか、ついためらってしまいますね。
ラストノート(30分~4時間程度)
使用されているのは『Musk』『Amber』『Cyclamen』『Orris』。
ミドルノートと比べると香り自体は薄くなってきますが、香りは甘いものに変化してきました。
イツキのキャラクターを考えると意外な香りですが、人体実験から解放され、安心出来る居場所を手に入れた彼の境遇を考えれば納得です。
甘さは説明にある「安息の彼方」をイメージした控えめなものになっていました。
今後彼がどうなっていくのかは分かりませんが、その将来をポジティブに表現してくれたのは嬉しいですね。
まとめ
フレグランスとしては甘すぎず、すっきりとした香りでした。
暑くなってきたこの時期に合うかもしれません。
ボトルやパッケージもあえてキャラクターの絵を入れていないため、普段使いしやすいです。
しかし欲をいえば、香水のボトルの形まで差別化してくれたら最高でしたね。
キャラクターごとにパッケージのデザインが異なっているのは良い点なのですが、Primaniacsの香水は作品問わずボトルが同じデザインらしいので、特別感はやや薄れてしまいます。
とはいえボトルのデザインにまで力を入れた場合、その分値上がりしてしまう可能性が高いため、価格を抑えるという点では仕方がないのかもしれません。
反面、キャラクターについて徹底調査し、何故この香りにしたのかしっかり解説してくる所には並々ならぬ熱意を感じました。
Primaniacsの公式サイトでも、キャラクターフレグランスの制作についてこのように書かれています。
プリマニアックスの商品企画は、まず作品を読み込み、キャラクターを愛するところから始まります。
Primaniacs公式サイトより
そして、そのキャラクターの魅力を表現した香りを、香水・香料に精通した社内スタッフのプロデュースにて制作します。
キャラクターの魅力を表現した香りを作り上げるまで、何度も何度もリテイクを繰り返し、目的の香りを作りだします。
キャラクターフレグランスとして、最も大事なポイントをおさえていますね。
あくまでキャラクターの再現度の高いフレグランスを求める人には、オススメ出来る商品だと思います。