【感想・紹介】「変な家 (雨穴)」オカルト専門ライターと設計士が間取り図の謎に挑む

※アフィリエイト広告を利用しています

 

ミステリー

この記事では『変な家(雨穴)』の紹介や感想を書いていきます。 

近年のヒット作でありながら、なかなか手を出せていませんでしたが、ようやく読む事が出来ました。
以下、あらすじや感想、おすすめポイントなどを紹介していきたいと思います。

変な家シリーズの感想記事はコチラから↓

変な家2〜11の間取り図〜
変な家(映画)
変な絵

単行本

文庫版

スポンサーリンク

【変な家】のあらすじ

謎の空間、二重の扉、窓のない子供部屋…この家、何かがおかしい。あなたは、この間取りの「謎」が解けますか?

YouTubeで人気の不動産ミステリー。

「BOOKデータベース」 より

筆者はある日、「オカルト専門のフリーライターだから」という理由で知人・柳岡から相談を受けました。

「購入を考えている一軒家があるのだが、一階とリビングの間に謎の空間がある。
不動産屋に聞いても理由が分からず、気味が悪くて購入の決心がつかない。」


これに興味を抱きつつも建築の知識が無い著者は、同じく知人である大手建築事務の設計士・栗原に間取り図を見せます。
するとホラーやミステリーに精通する彼から、思わぬ指摘を受ける事となり……。

元となった記事や動画との違いは?

2020年10月12日にウェブメディアオモコロに投稿された記事が初出。
同年10月30日に、YouTubeに「【不動産ミステリー】変な家」として公開。

変な家 – Wikipedia

書籍版は元となった記事や動画の続きが書かれています。
ネットで公開されているのは第1章「変な家」までですが、書籍版では下記の章が追加されています。

書籍で追加された章
第2章 いびつな間取り図 
第3章 記憶の中の間取り

第4章 縛られた家

また書籍化に伴い建築士・栗原がミステリー小説でいう探偵役として、筆者はその助手役としての立ち位置がより明確に描写されています。
個人的には最後まであくまで他人事と割り切り、不謹慎な推理を述べる栗原は動画(記事)の時よりもキャラが立っていて好きでしたね。

せきゆら
せきゆら

更にストーリーの展開に合わせて新しい間取り図も2枚登場しました。

【変な家】はどのような人にオススメ?

・小説に興味はあるが、なかなか手を出すきっかけがない人
・元となった記事や動画の真相を知りたい人
・ホラーが好きな人

間取り図の説明が分かりやすい上、本書に出てくる間取り図は合わせて3軒のみなので、余計な混乱を招かずに読み進めやすいと思います。
逆に「不思議な間取りをたくさん見たい」と期待して読む人には物足りなく感じるかもしれませんね。

またリアリティーを抑えたホラー要素も含まれているため、怖いもの見たさでスリルを味わいたい人や、子供にもオススメしやすい所が本書の強みです。

【変な家】の感想

真相に関するネタバレはありませんが、構成について触れているため、未読の方はご注意ください。

着眼点の面白さ

物件を題材にしたホラーだと、どうしても幽霊が出る事故物件に話がいきがちです。
しかし本書は間取りの不自然さから考察を進め、そこに住んでいた住民の真意に近づいていくという形式を取っています。
そのためホラーでありながら怪異や幽霊といった類の存在は出てきません。

せきゆら
せきゆら

どちらかといえば人コワ系です。

ミステリー小説でも建物の構造から謎を解く話はあるものの、間取りにここまで焦点を当てた作品はなかなか見られないため、面白い着眼点だと思いました。

読みやすさを意識した構成

普通のミステリー小説だと話の冒頭や、推理パートにのみ間取り図が載っている場合が多いのですが、本書は間取りが話の中心に来ているだけあり、同じ間取り図でも内容に合わせて都度、掲載してくれています。
そのため話を理解するために、いちいちページを遡って間取り図を確認しに行く必要はありません。

せきゆら
せきゆら

面倒くさがりな私には、かなり助かる仕様でした。

更に情景や人物描写を極力省き、ほとんど会話形式で話が進んでいくため、先へ先へと読み進めやすいです。
大体2時間未満で読み終える事が出来ました。

異質な第4章

間取り図を使った謎解きが売りの本書ですが、第4章「縛られた家」だけは例外です。
ここでは間取りを使った謎解きをせず、その奇妙な物件に住んでいた住民に迫っていく真相編となっております。
こちらは謎解きよりもホラー要素に比重が置かれているため、ゾクゾク感を楽しむ事が出来ました。

しかし展開としてはかなり意外な方向へ振り切っていくため、これをどう受け取るかで作品の評価が分かれそうです。

まとめ

奇妙な間取りから辿り着いた真相は、やるせないかたちで収束へと向かっていきました。
更に追い打ちをかけるように、栗原が最後に立てた仮説も後味の悪さに拍車をかけてくるため、不気味な読後感を味わえます。

もしあの場に栗原が同席し例の仮説を指摘していたらどうなっていたのか……タラレバですが、どうしても気になってしまいました。

PAGE TOP